死刑事件を請け負う弁護士は少ない。“極悪人の代理人”“人殺しを弁護する人でなし”世間から様々なバッシングを受けるだけでなく、人命が奪われた事件を通し、加害者と被害者双方の悔恨や悲嘆に苦悶することになるからだ。 それでも、安田は、死刑事件の弁護を引き受け続ける。 貧困と富裕、安定と不安定、山手と下町。凄惨な犯罪は境界で起きることが多い。安田は、こう考えている。生まれ育った環境が生む歪みを無視し、加害者を断罪することに終始することが、事件の解決と言えるのか。司法は、犯罪を抑止する材料を洗い出す場でもあるはずだ。安田の生き様から映し出されるのは、この国の司法のありようを問い続ける姿勢だ。『平成ジレンマ』『青空どろぼう』の東海テレビが放つ劇場公開ドキュメンタリー最新作。
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