遠山家では金さんの父景晋が、抜け荷買いの一味と気脈を通じていたという疑いで長崎奉行の地位を追われた。抜け荷買い一味の糸をたぐっていくと、加賀の廻船問屋銭屋五兵衛のもとから加賀百万石にまで疑惑の影が拡がっていく。真相究明にのり出した金さんは、加賀鳶太吉に近づいた。火消し部屋にまぎれこみ、加賀鳶の頭領皿子十兵衛が加賀藩主斉泰の妾お美代の方の育ての親であり、お美代の父が幕閣に勢力をもつ雪翁だという事実を耳にした。金さんに首ったけの孔雀長屋のお景、丑松と一緒に金さんは加賀の国へ向った。五兵衛と対面、加賀藩御用の立札を立て禁制品を運んでいたのは渡海屋だということを聞いた。金さんは渡海屋の船着場で、禁制品の数々が積みこまれるのを目撃した。金さんは江戸に帰り、加賀藩邸に忍びこんだ。そこで、奥方暗殺と藩邸放火を企む渡海屋と筆頭家老大月利左衛門との密談を耳にした。が、...
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