結婚7年目を迎える大倉謙次と妻のみさきは、表向きには円満な家庭を築いているように見えながら、その実セックスレスに悩んでいた。いざとなると逃げてしまう謙次に不安を感じながらも、みさきは「抱いて」の一言が言い出せない。一方、謙次の勤める東洋電器宣伝部に出入りしている照明デザイナーの武田祥子は、夫・芳彦の過剰な愛情に少々うんざりしていた。妻を喜ばせようという義務感からのセックスを求める夫に対して、彼女は演技で応えている。ある日、颯爽とした仕事ぶりの祥子に魅力を感じた謙次が、祥子がしていたのと同じ香水をみさきにプレゼントした。謙次は祥子を思い浮かべながら妻を求め、みさきは大喜びでそれに応える。しかし、娘の亜矢子と連れだって夫が担当したビルのイルミネーションを見学しに行ったみさきは、そこで偶然祥子と出くわし、彼女が自分と同じ香水をしていることに気づいた。以来、...
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