マンハッタンにあるコミュニティシアターの演劇講座に集う老人達が、私的な体験を基に創りあげる芝居を追ったドキュメンタリー。 講座で指導される芝居は老人が恋人募集の新聞広告を打つという設定で、演技者がさまざまな私的体験を曝け出すうちにそれぞれの人物の人生や生への価値観 が浮かびあがってくるという仕掛け。その芝居が成立する過程と、出演する老人へのインタビューによってこの短いフィルムは構成されている。 芝居自体の面白さは、講座の演劇指導員であるセスと呼ばれる人物の手腕によるところが大きく、アクターズ・スタジオで使われる演劇教育システム「メソッ ド」のような手法が用いられている。老人の個人感情が虚構を侵害する場面も見られ、理性から開放された「生」の人間の姿が映し出されている。 衰えを知らない性的欲望に反し着実に老衰へと向かう肉体へのジレンマや、結婚体験を老人が率直に語る姿を見ていると、彼らが他者を求め続ける普遍の欲求こそが実年齢を超えた「若さ」を保っている秘訣に思えてきた。 1999年米アカデミー短編ドキュメンタリー賞受賞作。
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