美容師の安雲祐子は飲み過ぎで倒れて片倉総合病院に運び込まれた。病院の副院長の片倉一郎から胃潰瘍だからと入院を勧められるが、実際は末期のガンで、しかもスキルスというタチの悪いものだった。「僅かでも長生きしてもらうため延命措置をはかるべき」と主張する一郎に対し、同じ医者である弟の保は「患者に苦痛がないように死なせてやるのも医者の仕事」と、新しく建設したCPU病棟(ホスピス)での仕事に賭けていた。うかつな保の言葉から自分の病名を知った祐子は動揺して病院から抜け出そうとするが、結局保の勧めどうりホスピスに移る。そこでは老人の柏木、中小企業社長の高倉、熱心なクリスチャンの主婦・赤間、ギャンブル狂の岩久保らが互いを励ましあいながら、メディカル・ソーシャル・ワーカーの民子や看護婦たちと最後の日々を過ごしていた。そんな彼らの姿と、何よりも熱心な保の態度に感動した祐子...
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