６０００メートル級の雪の天山山脈が連ね、世界屈指の透明度を誇るイシク・クル湖を有する中国国境旧ソ連キルギスタンに、ドイツナチスのヨーロッパ侵略の最中、芸術と表現の自由・平和へのユートピアを求めて逃れて来た東欧のリベラル芸術家・知識人たち・・・。しかし、当初の彼らの楽しき居住と集いの生活は、ソ連スターリン独裁政権の思想とは相容れられず、先ずはその夫たちの連続逮捕そしてやがては夫人たちへの尋問と女教師、臨月の夫人までもの逮捕へと発展してゆく。夫人をヌードモデルとする彫像芸術家であった主人公少女ヴィルマ１２歳の父は、その逮捕先人として銃殺される！夫たちが逮捕されて生活収入源を絶たれたヴィルマの母そして知識人夫人たちはスターリン集団酪農園での労働を余儀なくされ、ミルク等の盗難対策として身体検査が強要された。残された思春の子どもたちの唯一の楽しみは集落境界の検問を経て特別許可される美しきイシク・クル湖での母たちとの平和至福の象徴とうべき裸体水浴と畑でのスイカかじりであった・・・・・。１９４１年ナチスドイツがソ連に進攻して戦争は激化局面に突入、さらには過酷労働に置かれた母がチフス死に倒れ、ついには両親を「ユートピア」とは正反対であった地獄のソ連で亡くして孤児となってしまった少女ヴィルマは、青少年ソビエト学校の寄宿舎に入れられるが、スターリン強制教育への反抗意識から、教師そして洗脳された生徒たちの集団いじめの対象にされてしまう。絶望の涙だけが蔽う少女ヴィルマの心中を思い、高原へと誘って慰めてくれたやさしきキルギスタン少年のあたたかき友情！第二次世界大戦が終結し、ただひとり生き残った母の友人夫人に引率され、かろうじて祖国ハンガリーに帰国できたヴィルマは、スターリン軍人に破壊された亡き父製作の母の彫像を修復しながら、ナチスドイツそしてソ連スターリン粛清時代の戦争というものの忘れ得ぬ大恐怖へと想いを馳せ、再びの成人後その地を訪れ、本大作映画を完成させてゆく！