女子大生のまあこはテレビで活躍する生活アドバイザーのママと二人暮らし。父親はまあこが生まれる前に事故死してしまい、まあこは父親を知らずに育ったのだ。ママは父親について何も教えてくれず、いつしかまあこは勝手に父親の像を作り上げ、父親の虚像を男性に求めるようになっていた。まあこには同じ大学のバーイフレンドのトオルがいたが彼の身勝手さに嫌気がさし、テレクラで知り合った政治活動かぶれの男や、行きずりの宗教活動をしている男など、次々と付き合ってはみるものの、まあこの欲求は満たされなかった。そんなある日、仲間と集まっては公園で騒いでいる浮浪者のリーダー・ゲンをはじめ、酔っ払って若いサラリーマンとケンカし、やられてもやられても立ち上がって闘おうとするうだつの上がらない中年男や、食堂でのんだくれてブツブツつぶやいてはからんでくる変なオヤジなど、世間のアウトローとして生きている中年男たちに、まあこはたまらないほどの魅力を感じるようになる。中でもゲンには尊敬の念まで抱くようになるが、ゲンは突然チンピラに襲われ、まあこの目の前で殺されてしまう。浮浪者たちの日雇い賃金をピンハネしていたヤクザ組織と争い続けた果てのことだった。まあこは、ゲンの故郷の海に遺骨を沈めるために新潟に向かった。そして灰色の海が見える海岸で、中年カメラマンのゴローと出会い、ゴローはまあこをモデルにシャッターを切る。まあこはゴローに幻の父親像を感じ、不思議な懐かしさにとらわれながら、ゴローと旅を共にする。数日後、東京に戻ったまあこのもとにゴローから小包みが届く。それはまあこの写真集だった。そして、それがきっかけとなってまあこは芸能界にスカウトされ、新しい道を歩んでいくのだった。
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