親友の陽子と、横浜のナイトクラブで楽しんでいた矢沢マリは、隅然、ステージに立つ破目になった。しかし、マリの歌は好評だった。そのマリの前に岬という男が現われ、マリの兄の遺産一千万円を受取ってくれと言った。八年前、家出した矢沢は妹のために、岬、工藤兄弟らとキャバレーを経営し、苦心して四千万を貯えたのだが、間もなく、事故死したのだ。マリは、しかし、やくざになった兄への憎しみがまだ消えず、矢沢の分け前を受取ろうとはしなかった。岬は、矢沢の金を狙う工藤に追われていたのだが、矢沢の遺志を果たそうと、度々マリに会った。マリはそんな岬に惹かれていったが、幼な友達の陽子の兄誠は、岬がやくざと知って心配した。一方、工藤兄弟はマリと岬を探し出し、一千万円を渡せと拳銃で脅迫したが、老刑事三輪田に邪魔され、逃走した。マリは三輪田から、実は兄が工藤に殺されたことを知った。その夜...
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