戦後の闇市を追放された村上朝吉は故郷の河内へ帰ったが田舎が嫌になり大阪へ出て、靴磨きの少女ひろみを拾った。そして宿へ帰ると、昔の知人おぎんにバッタリ会った。今はおかまの特技を生かし女剣劇一座にいるが、演芸館主、玉島の横槍で興行が出来ないでいた。朝吉は女座頭五月淳子に会い尽力を約束し、早速玉島の事務所を訪れ偶然用心棒に雇われている清次に会った。興行は無事終ったが、一座のギャラを前借した大磯が姿を消していた。困った朝吉は自分の体を手形に借金し金は因島の麻生親分に借りて払うと言った。ひろみを清次に託した朝吉は玉島と共に因島へ渡ったがそこで親分の死を知り万策つきた朝吉は、玉島にシルクハット親分の許へつれ込まれた。が、シルクハットの連絡で琴糸が訪ねてきた。彼女は以前遊廓から朝吉に救われ、その時の恩返しのため金を持って来たのだ。一方、清次はひろみの歌の素質を見抜...
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