その昔、キリシタン信徒が迫害から隠れ住んだ九十九島にいわしの漁期が夏と共にやって来た。その一つ、虹の島ではカトリックの黒村と仏教の白村が今なお激しく対立。両親亡き後、弟五郎と二人暮しの黒村の貧乏漁師青年松谷三吉が、白村の網元新兵衛の一人娘キクエと密会中、捕まったことから対立は遂に爆発。若い衆の乱闘は駐在の三松巡査も投石で気絶する程。以後、両村は一層警戒を固め、三吉は竹内神父からキクエと絶交を言い渡される。一方キクエも白村の腕きき青年和田雄次と結婚を迫られるが、愛し合う二人は五郎の手びきで尚も人目を忍び会い続ける。三吉は今度のいわし漁で始めて船頭頭として腕前を示し、キクエの父に再考させたい。ある日、黒村の大蔵の娘でストリッパーのマリ子が東京から戻る。三吉を心秘かに愛する彼女はキクエとの仲を知り口惜しがる。竹内神父は三吉の熱意に打たれ、犬猿の仲の新兵衛を...
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