津田家の主人軍平(阪東妻三郎)は土建屋で、過去は腕と度胸で危ない橋を渡ってきた男で、無教育で傲慢で、そして暴君であった。家族に対しても俺のお蔭でみんな幸せに暮らせるんだと思っているから、妻(村瀬幸子)や子供はみんな自分に感謝し、尊敬していると思っている。だが父の会社に勤めている長男太郎(森雅之)は、叔母素子(沢村貞子)と共同でオルゴール製造会社をやろうとし、音楽家志望の二男平二(木下忠司)はオヤジを風刺した「破れ太鼓」という歌をつくって弟妹にきかせてる。三男又三郎(大泉滉)は医学生、四男四郎(大塚正義)は中学生、長女秋子(小林トシ子)は父の会社の出資主の息子花田輝夫(永田光男)に嫁にいけと言われていて、相手に愛情もないのに交際していたが、ふとしたことから青年画家野中(宇野重吉)と愛し合う。次女の春子(桂木洋子)は女学生。兄妹みんな仲よく母を慕って楽し...
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