江美の父は一流企業に勤める神経質な性格、母は人の心の痛みを気にしないタイプの人間だった。親の愛に飢えていた江美は、幼い頃から大人にかまってもらいたくてよく泣いた。中学生になると、彼女は髪を染め、マニキュアを塗り、夜の闇にさまよい出ていく。やがて、彼女はディスコで俊二という、やはり冷たい家庭で育った少年と知り合った。その三日後、オートバイ狂の俊二は事故で死んでしまう。二人の間にどんな魂のふれあいがあったのか。江美はこの少年についてあまり語らず、少年の死を機に彼女の反抗はエスカレートしていく。淳一の父は関西で手広く商売する会社の社長だ。淳一は幼稚園の頃から自立の芽をつまれ、過保護に育った。淳一の反抗は中学二年でピークをむかえ、暴力をふるい部屋に閉じ込もる。夫婦仲の悪い親は息子のことで真険に相談することもなく、父親が腕力で制裁したり、担任の先生を呼んで荒療...
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