今秋、400年以上続く歌舞伎の歴史に、ある女優の名が刻まれようとしている。寺島しのぶ、50歳。基本、男性が女性を演じる歌舞伎の世界。しかし今回歌舞伎の殿堂「歌舞伎座」の本興行で、異例の抜擢を受けたのだ。寺島といえば、映画「キャタピラー」でベルリン国際映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)に輝いたほか、数々の映画・演劇賞を手にしてきた圧倒的な実力者。 しかし今回の抜擢に、その心中は穏やかではなかった。歌舞伎の名門・音羽屋の長女として生まれた寺島。気がつけば歌舞伎は、細胞に沁み渡るほどに愛してやまないものとなっていた。しかし女性である自分は、決してその道には進めない...。どうしようもない虚しさや屈折した感情をバネに、女優の道をひたむきに切り拓いてきた。 今回、彼女が挑む演目は、三遊亭圓朝の「文七元結」を翻案した人情噺。江戸の市井に生きる人々の心の機微を描き出し...
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