S大病院附属看護学校の二回生卒業式。席上、優等賞状を授与された鈴元春子は、壇上で奉書を引裂いてしまった。--三年前。看護学校寄宿舎寮の三号室は、秋田から上京した春子を迎えて、全員六名が顔を揃えた。配布された「生活の心得」の冷酷な規律は彼女たちを震え上らせたが、彼女たちの青春はそれをはね返す明るさがあった。毎夜、辻主任は寮内の隅々を点検して歩くのだった。ある日、同室の勢津の日記帳が紛失した。真砂子の抽斗で発見されたが、結局辻主任の仕業だった。辻主任に釈明を求めたが、納得のいく返答はなかった。彼女たちは戴帽式に出席しないことに決めた。宮田教員が自分に一任して出席するよう説得した。戴帽式は無事終ったが、宮田教員は学校と生徒との板ばさみとなって辞職した。彼女たちに自治会を作るように言い残して。真砂子が先頭に立ち、結成の準備は進んだ。が、辻主任に筒抜けになって...
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