金泽胜真,日本のアニメーション演出家、アニメーター。なお、「金沢 勝真」や「金沢 勝眞」と表記されていたり、「松川 真書」という別名義を使っていた作品も存在する。幼児向けのテレビアニメから成人向けのアダルトアニメまで、手広くこなせる演出家。元はアニメーターであり、1970年代後半から1980年代後半にかけてのテレビアニメを多々手掛けていた。1990年代には演出家へ転身すると共に、OVAの新たなジャンルとして確立していたアダルトアニメにも活躍の場を見出す。やがて凌辱系作品を手掛けた際の高い評価から、業界の内外を問わず名を知られるようになった。ただ、シナリオよりセックスの描写を重視する傾向や登場人物の狂気へのこだわりようから、他のスタッフとの衝突も多かった模様。2000年代に入りアダルトゲーム原作の深夜アニメが増えると、アダルトアニメで高く評価された作風はこちらでも活かされるようになる。『Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow』では物語中盤に友人の深峰莉子の行動を裏切りと捉えて精神を病んでいくヒロインの木之坂霧乃の鬼気迫る言動や情念を、辛辣な台詞だけでなく物語の重要アイテムである糸電話を用いて描いたほか、『School Days』では主人公の伊藤誠の絶倫な性欲を彼の変化する表情や大量の使用済みティッシュペーパーを用いて描いたり、その物語終盤には自分の性技を目当てに誘惑してきた同級生の少女3人との自宅4Pすら悠々と行う[1]までに至った誠の性的暴走や現実逃避を、4Pの事前と事後における背景物や周囲人物の描写に注力して描いたりと、先述の作風が如実に現れている。しかしその身体はかねてより癌に蝕まれており、晩年は病と戦いながら仕事をこなす日々であった模様。没後にはG-type2009年6月号[2]を皮切りにアダルトアニメ関連各誌がその死を悼み、誌上に追悼特集を掲載している。